「サステナブル・東京湾スズキフェア」開催 〜9月9日(金)から10月末まで〜
d47食堂とThe Blind Donkeyにて、サステナブルな漁業に取り組む漁師さんから調達した「江戸前船橋瞬〆すずき」を用いたスペシャルメニューを提供
株式会社UMITO Partners
「おいしい漁業が続く社会を」をコンセプトに、サステナブルな漁業・養殖業の推進を行う株式会社UMITO Partners (所在地:東京都渋谷区、代表取締役:村上春二)は、47都道府県の生産者から仕入れた食材を扱う「d47食堂」(渋谷区渋谷)と持続可能な仕事を目指す生産者さんから仕入れた食材を扱う「The Blind Donkey」(東京都千代田区)2店舗とコラボレーションし、2022年10月末日まで「サステナブル・東京湾スズキフェア」を開催します。
期間中は、東京湾で100年後を見据えた漁業に取り組む海光物産株式会社より調達した「江戸前船橋瞬〆すずき」を用いて、各レストランのシェフが考案したメニューを期間限定で提供します。
<企画の背景>
UMITO Partnersでは、サステナブルな漁業や地域を目指す生産現場への科学的コンサルティング及びクリエイティブソリューションの提供に加え、飲食店やシェフ向けに、サステナブルシーフードの調達支援や、持続可能な漁業に取り組む、もしくは目指す漁業者とのマッチングを行ってきました。中でも、「d47食堂」と「The Blind Donkey」は、共に⾃然を敬愛し、持続可能性を追求する⽣産者と、丁寧な関係づくりを⾏っている点に共感し、サステナブルシーフードについて考える活動を一緒に行ってきました。
東京湾スズキフェアの背景には、「100年後の漁業を見据えた海光物産の取り組みをより多くの人たちに伝えたい」というシェフたちの強い思いがあり、スズキの旬のシーズンを選んで今回企画しました。
<「江戸前船橋瞬〆すずき」について>
使用する「江戸前船橋瞬〆すずき」は、スズキの水揚げ日本一を誇る東京湾で漁獲され、旬である5月~10月に水揚げされるものの中から、厳選されたものを瞬〆※処理したものです。2016年より日本初の漁業改善プロジェクト(FIP)を開始し、MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)※ver.1 水産物認証と流通加工段階認証に加え、今年の8月にはMEL ver.2.0 漁業認証も取得しており、国際基準を満たす認証水産物となっており、平成27年に「千葉ブランド水産物認定品」に選ばれています。
海光物産では、11月から2月の産卵期には漁をせず,漁期でも25cm以下の若い魚は海に放したりという自主的な管理に加え、年間の漁獲量や餌となる水産資源の推移、漁による海底の環境や生態系への影響のモニタリングなど、UMITO Partnersが提供する科学的知見に基づき漁獲制限を行う日本初の漁業改善プロジェクト※に取り組むなど、海の資源を枯渇させない努力を行っています。「少なく獲って、うまく儲けるのがよい漁師」とう祖父の教えのもと、獲った後も手間をかけて魚の価値を高めることで、環境と経済のバランスがとれた漁業に取り組んでいます。
このような、サステナブルな漁業を目指して頑張る漁業者を応援することは、水産業を軸とした地域のサステナビリティへ貢献することができるだけでなく、次世代においしい魚を継いでいくことにもつながると考えています。
※1 漁業改善プロジェクト(FIP:Fishery Improvement Project)とは、サステナブルな漁業や養殖業を目指し、持続可能性における課題解決を計画的に取り組むプロジェクト。グローバルマーケットにおいて欠かすことのできないビジネス条件の一つとなっており、国内市場においても需要は高まってきています。
※2 水産エコラベル認証(MEL認証)とは、水産資源や生態系などの環境にやさしい方法で行われている漁業や養殖業を認証する仕組み。
※3 瞬〆とは、鮮度を保ち、より魚の旨味を引き出すため、海光物産独自に開発した魚の〆方。活〆・血抜きしたスズキの神経をエアガンで抜き取ります。瞬〆をすることで、魚が感じるストレスを最小限に抑え、身割れなどの身質の劣化を防ぎ、魚の旨味成分を閉じ込めることができます。商標登録もされ、海光物産株式会社のみがその使用を許可されています。
■ 関係者コメント
大野和彦(海光物産株式会社 代表取締役)
海光物産は東京湾でまき網漁業を営む大傳丸と中仙丸によって、1989年に設立されました。当時はマイワシの水揚げが盛んでしたが、『東京湾アクアライン』の着工と同時にその姿は消え、底曳網でもカレイ類が激減してしまいました。船橋の漁師たちの間では、安定的に獲れるスズキに対する依存度が急増し、結果的に「スズキの水揚げ日本一」の称号を手にすることとなりました。しかし一方では、海の環境が変わると魚はそれに敏感に反応し、資源は永遠ではないということを気付かされました。
私たちは、この言わば〝最後の至宝〟とも言えるこのスズキ資源を、持続可能なものとして次世代に遺して行くために、「消費者とともに漁業をして行きたい」と考えており、今回のような取り組みをとても楽しみにしています。
村上春二(UMITO Partners 代表取締役)
東京湾のスズキは歴史的にも古くから食べられている大切な水産資源です。現代においても、地域文化・経済そして漁師さんにとって、必要不可欠で大切な存在です。スズキをはじめとする東京湾の水産資源を豊かな状態で次世代に繋げるためには、獲る人・売る人・食べる人、それぞれの行動が変わり、ポジティブな連鎖を生み出す必要があります。今回のような取り組みを通じて、シェフ・飲食店および漁業者が想いで繋がり、ウミとヒトの関係性について考え、「おいしい漁業がつづく社会」に共感頂ける関係者がより増えることで、社会全体にポジティブな渦を生み出せることを期待し、私たちにできる役割を果たしていきたいと思います。
相馬夕輝 (D&DEPARTMENTディレクター)
海の環境の変化を、私たちが日常で感じることは多くはありません。d47食堂では、数年前から天然の真昆布の不漁が続き、持続性を考えて養殖の真昆布へ切り替えを行いました。海の環境の変化は、実はそんなに遠くないところで私たちの生活に影響を与え始めているのです。そして、UMITO Partnersのみなさんと出会い、海の持続性、海の仕事に関わる経済の持続性、海の周辺に暮らす地域の社会的な持続性など、自然と人を含めた暮らしの持続性について考えることに気づかせていただきました。自然や地域とに関わりを、いかに想像力と創造力を持って解決に向かっていけるのか。環境・産業・文化を含めた、持続的な「おいしい」を考える活動を始めていきます。
Jerome Waag (The Blind Donkey オーナー・総料理長)
持続可能な生産手法を行なっている生産者を探して日本中を旅行しているときに、UMITO Partnersの村上さんに出会いました。 羽幌で3日間共に過ごし、はえ縄漁師とホタテの養殖業者のもとを訪ねました。その日から、「海の環境と小規模な漁業者コミュニティをサポートするために、どのようなシーフードをレストランで提供すべきだろうか」という、2人の長い会話が続いています。東京湾の美味しい瞬〆スズキをお届けできることを嬉しく思います。
■ サステナブル・東京湾スズキフェア 概要
東京湾で獲れたサステナブルな「江戸前船橋瞬〆すずき」を取り入れたメニューが、d47食堂(渋谷区渋谷)とThe Blind Donkey(東京都千代田区)2店舗にて、期間限定で提供されます。
開催店舗1:d47食堂 「東京湾ミックスフライ」
d47食堂で提供される「東京湾ミックスフライ」スズキと同じ漁で水揚げされるコノシロも一緒にミックスフライに。柚子胡椒の効いたタルタルソース添えでお楽しみください。
提供期間: 2022年9月9日(金)~10月末頃(無くなり次第終了)
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 ヒカリエ 8F
電話:03-6427-2303
営業時間 月火木|11:30-20:00 金土祝前日|11:30-21:00
日|9:00-11:00/11:30-20:00
※水曜定休
開催店舗2:The Blind Donkey「東京湾のスズキ w/ローストペパーとハバネロバター」
The Blind Donkeyで提供される「東京湾のスズキ wローストペパーとハバネロバター」「東京湾のスズキ ローストペパーとハバネロバター添え」は、瞬〆されたスズキならではの旨みと、ふっくらとした瑞々しさを存分に味わえる一皿です。
提供期間:~10月末頃(無くなり次第終了)
住所:東京都千代田区内神田3-17-4 1F
電話:03-6876-6349
営業時間 火水木金土18:00 – 22:00
(木金ランチ/土ブランチ 11:30 – 14:30)
<参考資料>
千葉県船橋市漁業改善プロジェクト(FIP)について
スズキの水揚げ日本一の千葉県船橋市で、企業・漁業者・NGOが連携して発足した日本初の漁業改善プロジェクト(FIP)です。祖父の代から漁業を営む海光物産(株)では、保有する中型まき網漁船団大傳丸・中仙丸にて自主的な資源管理を行ってきました。2020年東京五輪でブランド魚である「瞬〆スズキ」を世界にPRしたいと思いましたが、調達基準にはMSC認証などを取得した持続可能性が担保された水産物であることが必須であると知りました。そこで2015年にMSC予備審査を受けましたが、漁業改善が必要であることがわかり、2016年に本プロジェクトを始動。合同会社西友が助成金の拠出や販売支援を担いました。
当社では科学的な知見と国内外のネットワークを活かし、MSC予備審査によって特定された課題解決のための活動計画の策定・実施、漁獲データのDX化、全体的なプロジェクト管理等を行いました。IT企業等と共同開発したブロックチェーン技術を活用した海産物のトレーサビリティシステム「Ocean to Table」は、本プロジェクトが起点です。
https://umitopartners.com/works/chiba/
■d47食堂
D&DEPARTMENT PROJECTによる、47都道府県と季節を感じる定食屋。各地に根付く、その土地ならではの食材や食文化を活かしたメニューが味わえるほか、ワークショップや勉強会も開催。食を通じて、生産者や器のつくり手の想いとともに、各地の個性と魅力を伝えている。今年から、海の持続性についてお客様と一緒に考える「サス
テナブル・シーフード」の活動をUMITO Partnersと共にスタート。
https://www.facebook.com/d47SHOKUDO/
■The Blind Donkey
カリフォルニア・バークレーにあるレストラン「Chez Panisse」の元総料理長兼アーティストであるJerome Waag氏がオーナー兼料理長をつとめるオーガニックレストラン。自然を敬愛し、持続可能な仕事を目指す生産者の方々のもとを直接訪れる旅を続けている。ほとんどの食材は生産者から直接仕入れており、料理を通じて彼らのストーリーを伝えることをとても大切にしている。
https://www.theblinddonkey.jp/ja/
<会社概要>
会社名:株式会社UMITO Partners
所在地:東京都渋谷区渋谷1-23-21渋谷キャスト1-2F
代表:村上春二
設立:2021年6月1日
資本金:200万円
事業内容:
水産エコラベル認証取得に関するコンサルティング事業
地域サステナビリティに関するコンサルティング事業
サステナブルファイナンスに関するコンサルティング事業
サステナビリティに関する事業開発・実行支援・戦略立案コンサルティング事業
サステナビリティに関するプラットフォーム事業