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2024.11.06

取材

青森のりんごの魅力を存分に 新素材アップルシートブランド「Adam」

★環境PR取材★

株式会社KOMORU

 株式会社 KOMORUは、青森県の五所川原市を拠点に宿を営む。その傍ら、りんごの搾りかすから生まれるアップルシートブランド「Adam(アダム)」を手がけている。今回は、株式会社KOMORUの取締役でクリエイティブディレクターの大島頌太郎さんに「Adam」について誕生の背景や環境問題など詳しくお話を伺った。

株式会社KOMORU 大島頌太郎さん(本人提供)

アップルシートブランド「Adam」とは

 Adamは、りんごの加工の過程で発生する本来であれば捨てられてしまうりんごの搾りかすを原料に新しいシート材を製造している。青森県は日本でも有数なりんごの生産地だが、その裏で加工後のりんごの搾りかすが大量に廃棄されている。大事に育てられたりんごを余すことなく活用したい。そんな想いで、「Adam」が立ち上がった。りんごの搾りかすを無駄にすることなく、新たなプロダクトとして生まれ変わらせている。

「Adam」の製品(株式会社KOMORU提供)

 大島さんは、「原材料そのものが見えるというところが最大な特徴です。」と述べた。素材に着色などをしていないためりんごが持つ本来の色や模様を楽しむことができる。続けて、「人間は五感で生きているので、五感に訴えかけるようなものが重要だと考えています。そこであえて半透明にして、素材が見えるようにすることで、視覚や触覚を通じて製品の持つ質感や本来の魅力を感じてもらえるデザインを目指しました。」と語った。素材が「見える化」されているからこそ、素材が持つストーリーや価値観を自然と感じることができる。

「Adam」アップルシート(株式会社KOMORU提供)

愛情たっぷりな青森のりんご

 大島さんがりんごの搾りかすに目を向けたのは、青森という土地にいる中で、りんご産業が常に身近にあったからだという。津軽地方では、広がるりんご畑が日常の風景。りんご栽培に携わる人々の話を聞くうちに、りんごを育てることの苦労とリスクに対して大きな関心を抱くようになったそうだ。大島さんは、「水害や台風などでせっかく育てたりんごが一瞬で台無しになることもあります。農家さん達は、常にそうしたリスクと向き合いながら手間と愛情を注いでりんごを育てています。」と述べた。春夏秋冬、四季折々の手間と愛情を注ぎ、気候変動や自然災害と戦いながら、農家の方たちは命を込めてりんごを育てている。私たちがスーパーで手に取る一つのりんごの裏に、何人もの人々の努力と情熱が注がれていることを忘れてはならない。大島さんが伝えたいのは、青森という土地で育まれるりんごの背景にある努力と愛情とのこと。しかし、その裏で加工品などに使用されたりんごの搾りかすが大量に廃棄されている。大事に育てられたりんごを余すことなく活用したい。そんな想いで、「Adam」が立ち上がったそうだ。廃棄されるりんごの芯や搾りかすを新しいプロダクトとして生まれ変わらせることで、青森のりんごを継続して大事にすることができる。

青森のりんご

具体的な行動が環境への変革を生む

 企業にとって環境問題への取り組みは避けて通れない課題となっている。大島さんは、企業が環境問題に取り組むには「言葉やコンセプトだけでなく、具体的にものを作ること」が重要だと強調する。環境に配慮した姿勢を掲げることは第一歩だが、その理念を形にして、消費者が手に取れる実際のプロダクトとして提供することで、初めて社会に影響を与えることができる。消費者の意識が変わりつつある今こそ、具体的な行動とプロダクトによって、その変化をさらに加速させることができるのではないだろうか。

 大島さんは、りんごの搾りかすの再利用に限らず、「まだまだ当たり前のように捨てられているものがたくさんある。」と語る。これらの捨てられる資源を、ただ廃棄物として扱うのではなく、ものづくりにおいて海産物や農産物などと向き合い、新たな形で素材として活かすことの大切さを強調する。「違った形になるかもしれませんが、それぞれのものを材料として表現できたら素晴らしいですね。」と大島さんは、持続可能なものづくりへの意欲を示した。

自分たちの世界観で創る、青森の新しい価値

 青森の風土やりんごの産業への愛情を表現するため、Adamでは自分たちが魅力的だと思う世界観を貫くことに重きを置いているという。市場の流行や価格競争にとらわれない「自分たちが作りたいものを作る」という姿勢は、これからの持続可能なものづくりにおいて重要な考え方だ。

 最後に大島さんは、「プロダクトにすることで、青森の文化を自分の手で触れられる形にしたいです。Adamの製品を通じて、日本の文化の一端を身近に感じて、楽しんでいただきたいです。そして、製品をきっかけに、りんごの農園や青森に訪れてみようと思ってもらえたらすごく嬉しいです。」と語った。

「Adam」ホームページ:https://a-d-a-m.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/adam_aomori_official/

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